/ Hear them out! / 2008 March
〜 MMI の新入生・在校生・卒業生のページです〜
"hear 〜 out"は「人の話を最後まで聞く」…卒業生の皆さんのお話を載せていきます 。
茂田英樹さん(02年卒業)
MMI卒業後、東京 世田谷区に所在するイージーライダースへ就職。
約一年の勤務を経て、ロスにある関連会社MTIAインターナショナルへ転勤。
現在の主な業務内容は日本へのパーツの供給と、イージーライダース商品のアメリカでの販売。
(下の写真は08年Daytona Bike Week中、展示&販売商品を前にインタビューを受ける茂田氏)
第10回Cool Breaker
今回で第10回目となる日本で唯一のH-Dオンリーカスタムモーターサイクルショウ、Cool Breaker。HDJが統括しているH-Dディーラー系の「カスタムコンテスト」の対極にあり、全くと言ってよいほど違う動きをしているH-Dカスタム/チョッパー業界の「今」がわかるイベント。
ただし、次回からのイベント開催期間を現在の11月から5月頃に移行するとの動きを事前に発表していたせいか、今年は参加を敬遠した業者も多く、参加数は80余店と少なく、また、現在のカスタムバイクの流行の主流が「派手なショウバイク」というよりも「身近なガレージビルドカスタム」となっているようで、そういったテイストが好きな方はMoon
Eyes主催のHot Rod Custom Showへ流れていったようです。
今回のCool Breakerについては、多方面でショウの内容が取り沙汰され、残念ながら08年度の開催が延期になっています。個人的には、質の高いカスタムバイクを間近に見ることができるのがこのCool
Breakerの面白いところだと思っています。
私は今年もイージーライダースのヘルプとして参加しました。この数年は取引先のJammer CycleとCCIのサポートとして、今年はイージーライダースがディストリビューションをしているArlen
Ness社の製品と車両の販促を行いました。Arlen Ness社現代表のCory Ness氏を招聘、氏の製作した車両(Thin Twin)と氏の父であるArlenが製作した車両(2
Bad 2)を展示したのです。
ガレージビルドチョッパーが流行っている現在の日本のカスタムシーンではArlen Nessは受け入れ難いかもしれませんが、カスタム車両製作の厳しい状況(違法)の日本で、Cool
Breakerというショウに足を運んで頂いたお客様に「カスタムバイクの本場であるアメリカの最先端のハイエンド・ショウ・バイク」を展示できたと自負しております。また、車両の「格好よい」「悪い」は個人の主観と、そのときの流行に左右される意見でしかないと思うのですが、その感性の先にある「車両製作者の創造力」「車両の圧倒的な存在感」を感じ取ってもらえたのはないかとも思います。
更に、08年よりイージーライダースで販売を開始するNess Motorcyclesの展示も行いました。Arlen Ness商品を利用し、S&Sモーターを搭載した、Arlen
Ness社のプロダクションバイクです。嬉しいことにこの車両はすぐお客様がつき、これにはCory氏を招いた甲斐がありました。
アメリカでは世代交代が頻繁に行われています。Arlen Ness社を創設したArlenがアメリカカスタム業界のファーストジェネレーション、現代表のCoryがセカンドジェネレーションです。そして現在は、Coryの息子であるZackというサードジェネレーションが活躍し始めています。昨年同様に参加したS&S社の代表Brett
Smith氏も創設者の孫にあたるサードジェネレーションです。ブレーキ、ホイールで有名なPMのRolandも2代目。そんな若い世代がどのような感性のカスタム車両、商品をこれから世に出していくかも楽しみです。
第1回Asian International Motorcycle Expo
Cool Breakerが終わった次の週末は、マレーシアで行われたA.I.M.E(Asian International Motorcycle
Expo)の視察です。H-Dとマレーシア(アジア)というとあまりピンと来ないかもしれませんが、実際には2輪、4輪業界においてアジア生産部品の目に見えない部分での貢献度は高く、弊社としても新たな仕入先、商品の卸し先を探すべくの視察でした。
第1回A.I.M.Eでは、目玉となるAMDのアジア大会が開催されたり、MMIの大先輩であるブルーパンサー重松氏がドラッグレースのデモ走行を行ったりと、イベントは目白押し。AMDショウには、日本からKen's
Factoryの永井氏(07年度のAMD日本大会優勝)、ホットドッグの河北氏、AMD世界チャンピオンのチカラモーターサイクルの永田氏が参加、AMDアジアコンテストではそのチカラモーターサイクルの永田氏が1位となる快挙。2位にはインドネシアのビルダーによるカスタム車両が、3位にはタイのカスタムバイクが入賞しました。
アメリカのように機械技術が発達していないインドネシアやタイでは、ほとんどのパーツをハンドメイドで製作しているということです。実際、かなり高い板金技術を持っています。中にはアジア特有の民芸品のようなバイクもありましたが、完成度、デザイン共にアメリカのトップクラスのハイエンドチョッパーに見劣りしない車両も多く、予想していなかっただけに吃驚でした。
他の参加ゲストはChica Customの近澤氏、Exile CycleのRussel Mitchel氏、Matt Hotch DesignのMatt
Hotch氏、そして日本経由でマレーシア入りしたS&S社代表のBrett Smith氏、Arlen Ness代表のCory Ness氏の姿もありました。
ショウ自体の規模は小さく、マレーシア国内のオートバイディーラーとタイのパーツ商社がそれぞれ数社、マレーシア国内外のカスタムショップと物販目的の店が数社出展していただけで、マレーシアのマーケットはこれからといった感じでしょうか。しかしながら、来場者の数は優に3万人を越えていたと思います。
それもそのはず、マレーシアでは輸入車量に対する関税は何と120%と高く、一般の人には外国車は高嶺の花。それを更にカスタムした車両となれば、オートバイに興味がない層も見に来ます。また驚くことにマレーシアには現在正規H-D販売店はありません(過去には存在したようですが、何かしらの理由で無くなってしまったようです)。言ってみれば、マレーシアの人たちにとってのハーレーは、私の幼少のときに流行った「スーパーカーブーム」的な見方ができるのではないかと思いました。一般に流通しているオートバイではなく、一部の裕福層のみが所有できる外国製オートバイとなっているのでしょう。それでもマレーシアとその周辺国から集まった数百台のオートバイで夜のクアラルンプールの繁華街は埋め尽くされました。今回のこのイベントは国をあげてのイベント。いわば政府公認でオートバイを走らせることができる催しであり、オートバイに関してまだまだ緩い規制とアメリカのバイクシーンにあこがれるアジア特有の熱気の下に行われたとてもワイルドな、そしてマーケット的には成長途中のイベントでした。
今では多くの日本人カスタムビルダーたちがアメリカで活躍していますが、「カスタムバイク=違法改造車」とされている日本ではこのようなイベントの実現は無理であり、また、活躍する場所を自分のカスタムバイクを正しく理解してくれる国に移す方が正しい選択肢なのかもしれないと、今回の二つのイベントを振り返り、そして現在自分がいるアメリカのカスタムバイクシーンと照らし合わせた感想でした。
第2回はインドネシアで行われるという話を聞きました。
A.I.M.E.リンク http://www.aime.com.my/expo.html